コラム

経理業務のIT化で業務効率が劇的に向上する理由と導入方法

近年、ITの進化により、さまざまな業種や業務においてIT化が進んでいます。その背景には働き方改革に伴う業務時間の短縮やコストの削減など、業務効率化が大きく関係しています。一方、煩雑かつルーティンワークが中心の経理業務はなかなかIT化されていないのが現実です。

今回は経理業務のIT化で作業効率が劇的に向上する理由と、導入が進まない背景を解説するとともに、スムーズなIT化による業務改善のポイントや注意点を詳しくご紹介します。


経理業務のIT化が必要な理由と導入が進まない背景

経理業務のIT化が必要な理由とは:
経費精算や売り上げ管理といった日次業務に加え、月末の各種請求書の発行や入金確認業務など、企業経営に欠かせない経理業務は多岐にわたります。大量のデータを管理し、決められた期日までに業務を完了しないといけません。経理業務は会社の経営の根幹を担う重要なポジションでもあり、膨大な資料を適切に管理する正確さと、取引先や他部署の円滑な業務推進のためのスピードが求められます。

近年、働き方改革や環境問題が重要視される中、さまざまな業務において作業効率を上げるためのIT化や紙資料の削減を目的としたペーパーレス化が急速に進んでいます。同様に、経理業務も多くの企業がIT化による業務改善を目指していますが、まだまだ浸透しきれていないのが現状です。

経理業務のIT化が進まない背景とは:
では、なぜ経理業務のIT化が浸透しないのでしょうか。

その理由として経理業務の属人化が挙げられます。経理処理に必要な請求書や納品書などのデータの多くは、いまだに紙ベースで管理されているのが現状です。
また、ITシステム導入には一定のコストがかかるため、思い切った設備投資に踏み切れない、担当者への運用教育に時間が割けないなど、金銭面や時間の問題もIT化が進みにくい背景として挙げられます。
さらに、取引先によっては月々の請求書を郵送で求められるケースも少なくありません。そのため、毎月膨大な資料を整理しながら、請求書の印刷、封入など人の手によって処理を行う必要があります。



経理業務のIT化による3つのメリット

導入までにさまざまなハードルがある経理業務のIT化ですが、実際に導入すれば業務時間の短縮や大幅なコスト削減など業務効率化につながるさまざまなメリットが得られます。

実際にIT化した際の、具体的な3つのメリットをご紹介します。

業務時間の短縮と大幅なコスト削減:
経理業務のIT化による代表的なメリットに、業務時間の短縮と大幅なコスト削減が挙げられます。

IT化することで、今までバラバラに管理されていた領収書のような経費関連の書類をはじめ、請求書に必要なデータも一括で管理、自動計算が可能です。
これにより、人の手による計算作業や膨大な資料の管理にかかる業務時間と人的コストが大幅に削減されます。また、システムでデータを管理することで部署を超えた情報の共有も可能になり、企業全体でも円滑に業務を進めることができます。

ヒューマンエラーによるトラブルの防止:
経理担当者の悩みの一つに請求書発行に関するヒューマンエラーがあります。

具体的な例として請求書発行時の封入ミスや紛失、遅延などがこれに当たるでしょう。こうしたトラブルの原因は人的作業によるヒューマンエラーが大きく関係しています。これらのトラブルが起きた際、再発行の手続きが必要になるのはもちろん、企業の信用を損ねることにもなりかねません。
経費精算の入力間違いなども、社内でのことですから対外的なトラブルにまでは至らないと思われますが、かかる手間を考えるとやはり避けたいところです。
こうしたトラブルを未然に防止できるものの一つが、請求データの計算、請求書の発行までを自動で行う請求書発行システムです。システムで管理も作業も自動で行うため、ミスや遅延などのトラブルの発生を防止できます。
また、経費精算システムを導入すれば、交通費の自動計算機能を利用して、入力間違いを防止することもできます。

データの管理がしやすい:
IT化によるメリットにデータ管理のしやすさが挙げられます。

紙によるデータ管理にまつわる悩みに、保管場所の確保や必要な書類を探す手間などがあります。さらにリモートワークが進む中で、紙資料の処理をするために出社を余儀なくされるといった新しい悩みも生じています。
これらの紙資料をIT化すれば、パソコン上でデータの共有や管理が行えるため、保管場所の悩みはもちろん、データを探す手間と時間も削減されます。クラウド上で管理を行えば、どんな場所でも業務を行うことが可能です。
また、従来の紙での資料保管が不要になるため、ペーパーレス化の推進にもつながります。



経理業務をIT化できるシステムの種類

経理業務システムには大きく分けて以下の4種類があります。

クラウド会計システム:
クラウド会計システムは、クラウドネットワーク上で帳票の作成作業や帳票データの管理・共有を行うためのシステムです。煩雑な財務管理や管理会計の他、債務・支払いなど企業の資金管理も一括してでき、経理業務だけでなく、会社全体の業務効率化につながることはもちろん、システム上ですべてのデータが確認できるため、経営陣が自社の経営状況をリアルタイムで把握することも可能です。

請求書発行システム:
請求書発行は、Excelのような表計算ソフトを使って請求金額を計算した後に、請求書フォーマットに入力、それを印刷し、封入して郵送という流れが一般的です。こうした作業は手作業に頼る部分が多く、人的コストの他にも用紙や郵便代などがかかります。
請求書発行システムは、こうした一連の作業をシステムで一括処理。Web上で請求書を発行できる機能があれば、人件費はもちろん郵送にかかる諸費用の削減が可能です。そのため、封入ミスや遅延などのトラブルも起こりません。システムの中にはFAX送付機能や郵送用の一括印刷機能を搭載したタイプもあります。

経費精算システム:
経費精算システムは、経費精算の申請・承認、経理部門での経費精算処理を自動化できるシステムです。紙の領収書や伝票の管理が要らなくなるだけでなく、システムによっては領収書の写真を撮影してアップロードする機能や、交通費を自動計算する機能、ICカードとの連携機能などを搭載していることもあります。
また、経費データを一元管理することで経費の予実管理ができるといった特徴もあります。

債権管理システム:
債権管理システムは、自社の債権の一括管理、入金の消し込み、債権回収に関するサポートを自動化できるシステムです。経理業務システム全般に共通する業務効率化やヒューマンエラー防止といったメリットに加えて、債権関連会社のデータを俯瞰し、財務状況を見通すのにも役立つといった特徴もあります。



システム導入に際しての注意点

さまざまなメリットがある経理業務のIT化ですが、経理担当者から運用に対しての不安の声があるのも事実。
こうした不安を解消するためにも、導入に際しては以下の3つのポイントを押さえておく必要があります。

セキュリティ機能の高いシステムであること:
社員の個人情報や取引先などの機密性の高いデータを扱う性質上、データの流出といったセキュリティ面の危険性に不安を感じる担当者も少なくありません。そうした不安を解消するためには利用ユーザーの管理や公開期間の指定ができるなど、セキュリティ機能の充実したシステムの導入が必要です。

操作しやすいシステムであること:
ITスキルが低い、あるいは経理経験の浅い担当者にとって、高度な操作を求められるシステムを使いこなすことは抵抗があるでしょう。また、請求書以外にも経費精算や給与など、さまざまな帳票を一つのシステムで運用することになるため、操作しやすいシステムを選定することが求められます。

Web、紙の両方の書類発行が可能なシステムであること:
取引先によっては、引き続き請求書など帳票類の発行をWeb上ではなく、紙で求められるケースも多くあります。そのため業務効率を上げるためには、取引先ごとに個別対応が可能な請求書発行システムが必須です。
また、請求書の送付についても、メールや郵送以外にFAXでの送付が可能なシステムが望ましいでしょう。

経理業務のアウトソーシング

経理業務を業務効率化する方法として、前述したシステム導入のほかに経理業務の外部へのアウトソーシングという方法があります。アウトソーシングの方法にも大きく2種類あり、一つが経理業務全体をアウトソーシングする方法で、もう一つが経理業務の一部だけをアウトソーシングする方法になります。
そこまで業務がひっ迫していない状況であれば、経理業務の一部、記帳業務や年末調整などをアウトソーシングすることで、業務効率化につなげられます。事業の大幅な拡大や、人員不足によりリソースの確保が難しいといった場合や、そもそも経理業務を自社から切り離すといった場合は、経理業務のすべてをアウトソーシングすることで業務改善を行うことができます。
経理業務はアウトソーシングをすることで、担当者が不要なったり、または業務時間の短縮ができたりし、他業務へのリソースに充てられます。また月末、月初、年末など経理は業務が偏りやすいため、一部でも業務をアウトソーシングすることで、リソースの適正化を図ることも可能です。またアウトソーシング先は経理業務が専門なので、ミスもなく、高い品質で管理してもらえる点もアウトソーシングするメリットの一つです。
経理業務をシステム管理しているアウトソーシング先であれば、自社の持つデータと連携することもできることが多いので、会社全体の業務管理も一貫して行えます。

まとめ:経理業務のIT化で効率の良い業務を

今回は、経理業務のIT化で業務効率が劇的に向上する理由と、システム導入のポイント、経理業務のアウトソーシングについて解説しました。

経理業務は機密情報を扱う機会が多いことに加え、専門的知識が求められるため属人化しやすく、システム導入のハードルは高いと言わざるを得ません。また、取引先によっては請求書類の郵送であったり紙資料の提出であったり、多種多様な対応を求められることも少なくないでしょう。
ですが、経理業務自体はルーティンワークが多く、かつ正確性を求められる業務であることから、ITとの相性の良い業務と言えます。今回ご紹介したクラウド会計システムや請求書発行システムなど、取り扱いデータに適したシステムを導入することで、業務効率が向上するとともにコスト削減も十分可能になります。
また経理業務を外部にアウトソーシングすることで、システム導入と同じように業務効率化を図ることも可能であると言えますので、自社に適した方法で経理業務の改善を検討してみてください。

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煩雑なデータ管理や業務をシステムが自動で行い、関連部署全体で情報共有することで業務改善につながります。経理業務のIT化で健全な業務を目指しましょう。


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・社外(取引先や得意先)に対してどうしたら電子化を理解してもらえる?
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お客さまインタビュー

2022.02.24

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