コラム

インボイス制度導入で、変わることと、準備することを徹底解説

2023年10月1日から、消費税の仕入税額控除の新方式としてインボイス制度が導入されます。売り手側が買い手側に対して正確な適用税率や消費税額等を伝える義務のあるこの制度は、運用にあたって適格請求書発行事業者への登録や、請求書の書式の変更などをする必要があります。今回のような商取引の根幹に関わる変更は、現行の経理業務に多大な影響を与えます。貴社ではインボイス制度への対応は既に完了しているでしょうか? 

今回はインボイス制度の概要から導入の背景、対応するための準備などについて解説していきます。




インボイス制度とは?

インボイス制度への準備や対応のお話をする前に、まずインボイス制度の概要と導入された背景について確認しておきましょう。

インボイス制度とは「適格請求書等保存方式」のことを指し、複数税率に対応した消費税の「仕入税額控除」に関わる新しい方式です。登録申請書の2023年(令和5年)4月1日以後の提出については2022年(令和4年)12月23日に「令和5年度税制改正の大綱」で閣議決定され、「適格請求書等保存方式に係る見直し」の方針が示されました。もちろん、この以前から適格請求書等保存方式の見直しについては議論されており、どのような方針で変更されるかの情報は伝えられていましたが、この大綱の閣議決定によって最終的に決まったというわけです。

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適格請求書等保存方式(以降はインボイス制度と表記します)とは、具体的には所定の要件を記載した請求書(インボイス)や納品書を発行・保存する制度です。商取引において納品書や請求書を発行する「売り手側」は、インボイス制度にのっとった「適格請求書発行事業者」になっていなければインボイスを発行することができません。

適格請求書発行事業者になるには、所轄の税務署へ申請し、適格請求書発行事業者として登録をしなければなりません。この適格請求書発行事業者の登録受け付けは、2021年10月1日から既に開始されています。一方、売り手側から納品書や請求書を受け取る「買い手側」は、適格請求書発行事業者から適格請求書(以降はインボイスと表記します)を受け取らなければ、2023年10月1日以降は仕入額控除ができなくなってしまうのです。

仕入額控除ができないと、買い手側では何が問題となるのでしょうか? 次に、仕入額控除について説明します。

仕入額控除とは?:
仕入額控除とは、課税事業者(後述)が消費税の納付額を計算する際に、売り上げにかかっている消費税から仕入れにかかった消費税を差し引くことをいいます。


例えば商品を作るために仕入れた材料や備品には、10%の消費税がかけられており、購入者(図では事業者)は材料や備品の代金と消費税を合わせて仕入れ先に支払っています。原料や備品を購入した事業者はこれらを使って商品を作り、顧客(消費者)に販売しますが、売上時には10%の消費税を顧客から受け取ります。

事業者は売り上げに関わる消費税を納税する際、この売上時の金額をもとに消費税を納付するわけですが、原料の購入時にも消費税を支払っているので二重に消費税を負担することになります。そこで売上時に受け取った消費税から仕入時に支払った消費税額を引き、適正な消費税を納付することになるのですが、この一連の流れを仕入税額控除というのです。

つまり原材料費や輸送費などの各取引段階で、二重三重に消費税が累積するのを防止するための仕組みが仕入税額控除なのですが、課税事業者になっていない仕入れ先から仕入れた原料などにはインボイスが発行されない(発行できない)ため、仕入額控除ができなくなってしまうのです。こうなると事業者は、仕入れ時に支払った消費税を控除できず、消費税を負担せざるを得ません。

※仕入税額控除の控除対象は課税仕入れに限られます

(例):
・商品などの棚卸し資産の購入
・原材料等の購入
・機械や建物等のほか、車両や器具備品等の事業用資産の購入または賃借取引
・広告宣伝費、厚生費、接待交際費、通信費、水道光熱費などの支払い
・事務用品、消耗品、新聞図書などの購入
・修繕費に関わる取引
・外注費に関わる取引



インボイス制度導入の背景

日本では消費税がかなり以前から導入されていますが、なぜ今インボイス制度なのでしょうか? ここでは、インボイス制度が導入されることとなった背景について説明していきます。

日本では1989年(平成元年)に、商品の販売やサービスの提供に対して3%の税金を納める「消費税」の導入が始まりました。消費税は普段の生活に欠かせない「消費」という行動に課せられた税であり、一般市民の家計を直撃することから、当時は各地で導入への反対運動が起こりました。また、テレビや新聞のニュースでも毎日のように消費税のことが取り上げられ、選挙ともなると「消費税撤廃」をマニフェストに挙げる党が続出するほどでした。

日本では今から34年ほど前に導入された消費税ですが、海外では古くから取り入れられていました。1954年に、フランスが世界に先がけて導入したVAT(value-added tax:付加価値税)が消費税の原型となっています。まず「付加価値」とは、製造・流通過程の各段階において、事業が経済に新たに付加した価値のことをいいます。「付加価値税」とは、製造・流通の過程を経て創出される付加価値に対する税なのです。VATは製造から小売りに至る複数の段階で課税され、売り上げにかかる税額から仕入れにかかる税額を控除する方法(仕入税額控除)で最終的に計算されます。このようにVATは、課税の仕組みから控除の仕組みまで、日本の消費税とほぼ同じなのです。

このVATは現在では世界150カ国以上で採用され、特にEU(ヨーロッパ連合)ではVATを加盟国の共通税制と定めており、すべての加盟国に導入が義務付けられています。

日本では3%の消費税が1997年に5%、2014年に8%と段階的に引き上げられ、2019年10月には10%(飲食料品や新聞は軽減税率適用で8%のまま)まで引き上げられました。日本では2019年に初めて複数税率が導入されましたが、フランスをはじめとしたVAT導入国では以前から複数税率が導入されています。複数税率の場合、税率を標準税率(日本の場合は10%)と軽減税率(日本の場合は8%)に分けて運用していくことがほとんどです。海外ではこれに超軽減税率が設定されている場合もありますが、日本の消費税制度はやっと世界に追いついたとも言えるのです。

インボイス制度導入の目的:
複数税率は消費者の生活安定を図るために必要な制度(生活必需品の税は軽く、ぜいたく品は重く)なのですが、難点は経理処理が複雑になり取引の透明性が下がることです。世界各国のVATの多くは、食品、医薬品、書籍に軽減税率が適用されており、軽減税率の数が数種類設定されている場合もあります。

日本の消費税率は2種類(軽減税率8%、標準税率10%)ですが、やはりそれまでより経理処理は複雑になっています。インボイス制度は、複雑化し分かりにくくなった取引の消費税額を正確に把握すること、消費税率を明確にし、取引の透明性を高めることを目的として導入されるのです。



インボイス制度導入で何が変わる?

上記のような背景と目的で導入されるインボイス制度ですが、具体的には何が変わるのでしょうか? またインボイス制度が導入されることにより、問題となるようなことはないのでしょうか? ここではまず、課税事業者と免税事業者の違いについて説明し、今回の制度導入が問題を生む可能性について説明します。

課税事業者と免税事業者

「課税事業者」とは、税法上、消費税を納付する義務がある法人および個人事業主を指します。これに対し「免税事業者」とは、消費税の納税義務を免除されている事業者を指します。両者の違いは年間の売上高で、売上高が1,000万円超であれば課税事業者、1,000万円以下は免税事業者となります。つまり年間の事業に関わる売り上げが1,000万円を超えなければ消費税を納める必要がないのですが、免税事業者であっても消費税がかかる商品やサービスの価格に、消費税額を上乗せして請求をすることは可能となっています。

なぜ免税事業者は消費税の納付を免除されているのでしょうか? これは売り上げが小さい事業者は一般的に企業規模も小さく、納税すべき消費税額の計算等が煩雑であるため、納税が免除されているのです。結果的に顧客(消費者)からは消費税を取り、その一方で納税は行わないことになるので、この免除制度については以前から賛否両論があります。ただし年間の売上高が1,000万円を超えない免税事業者としては、消費税分がそのまま自社の利益となるので、このまま免税事業者として事業を継続したいと考えるのも当然のことでしょう。ですが、今回のインボイス制度導入では免税事業者に問題(不利益)が起きる可能性があります。免税事業者は、適格請求書発行事業者になれない(登録できない)のです。

インボイスが発行できなければ、課税事業者にとってその取引は仕入税額控除の対象外となってしまいます。つまり免税事業者の取引先が課税事業者である場合、課税事業者は仕入税額控除が受けられなくなり利益が減ることになるので、結果として発注を減らされてしまう、取引ができなくなる、消費税に当たる分の金額を値引きするように要求される、などの問題が起きる可能性があるのです。売り上げが年間1,000万円を超えなくても、従来の免税事業者が課税事業者として登録することはできます。課税事業者になれば適格請求書発行事業者として登録でき、インボイスを発行できるようになりますが、一方で消費税の納税義務が発生し、実質10%の負担が増えてしまうことになります。今回のインボイス制度導入で、免税事業者はさまざまな判断を迫られることになるでしょう。

区分記載請求書をインボイスに

インボイス制度が導入されると、今まで発行していた請求書(区分記載請求書)をインボイスに変更しなければなりません。適格請求書発行事業者が発行できるインボイスとは、どのような形式で、どのようなことが書かれているのでしょうか? 現行の請求書の項目と、インボイス制度が導入されることにより追加される項目をここで確認しておきましょう。

現行の請求書である区分記載請求書には、おおよそ以下のような項目が記載されているはずです。


❶ 請求書発行事業者の氏名または名称
区分記載請求書を発行している事業者の名前、もしくは会社名です。

❷ 取引年月日
通常、商品であれば請求先に納品した日付、サービスであれば提供した日付がここに記載されます。

❸ 取引の内容(軽減対象税率の対象品目である旨も記載)
❷の日付に納品もしくは提供したサービスの名前で、一般的には取引内容といわれます。図のように商品やサービスが個別に記載してあるのであれば、どの商品が軽減税率の対象なのかも明示(図中では※印)する必要があります。

❹ 税率ごとに区分して合計した対価の額
標準税率対象商品の対価の合計と、軽減税率対象商品の対価を合計して記載します。

❺ 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
区分記載請求書を受け取る事業者の名前または企業名です。そして以下が、インボイス制度の導入によって追加して記載しなければならなくなった項目です。下記の項目が記載されることによって、現行の区分記載請求書がインボイス(適格請求書)になります。

<2023年10月以降の追加項目>:
❻ 課税事業者の登録番号
登録番号とは、適格請求書発行事業者の登録を受けようとする課税事業者が、納税地を所轄する税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、税務署長の承認を受けた場合に通知される番号です。
インボイスには、この登録番号を必ず記載しなければなりません。法人番号を有する課税事業者はアルファベットのT+法人番号(数字13桁)、それ以外の課税事業者(個人事業主や人格のない社団等)はアルファベットのT+数字13桁(事業者ごとの番号)になります。図中では(6)の「登録番号:XXXXX」がこれに当たります。なお、免税事業者は課税事業者として登録しない限り、適格請求書発行事業者の申請を行うことができません(登録番号を取得できません)。

❼ 適用税率
区分記載請求書の場合には「軽減税率対象」と分かるように記載すればよかったのですが、インボイスでは「8%対象」もしくは「10%対象」のように、具体的な適用税率を記載しなければなりません。

❽ 税率ごとに区分した消費税額等
区分記載請求書の場合には、区分税率の対象となる対価の合計値のみを記載すればよかったのですが、インボイスでは区分税率ごとに対価と税額を記載する必要があります。
取引の相手方(課税事業者に限る)から求められたときは、事業者はインボイスを交付しなければなりませんが、適格請求書発行事業者以外はインボイスを発行できません。繰り返しになりますが、インボイスを発行するためには適格請求書発行事業者として所轄する税務署に登録されている必要があり、適格請求書発行事業者の申請は課税事業者しか行うことができません。

支払通知書や納品書をインボイスとして交付する

ここまでは、現行の請求書(区分記載請求書)をインボイスに変更する方法(追加する項目)を説明してきましたが、現在使っている支払通知書や納品書でも、必要な事項を記載すればインボイスとして交付することが可能になります。
支払通知書とは、商取引の対価に対して買い手側(対価を支払う側)が、売り手側(対価を受け取る側)に支払いの内容および支払い金額、支払期日などを通知するための書類です。つまり請求書とは発行する側が逆になる書類なのですが、これもインボイスの代わりとして仕入額控除に使うことができます。支払通知書をインボイスとして使うためには、支払通知書に「軽減税率対象資産の譲渡等である旨」、「税率ごとに区分して合計した支払い対価の額」、「課税仕入れの相手方の登録番号」、「適用税率および消費税額等」を記載し、相手側に交付すればよいのです。
また売り手側が発行する納品書も、上記の事項を従来の納品書に追記することでインボイスとして交付することができます。



インボイス制度対応の準備

ここからは、実際にインボイス制度に対応するために、どのように準備を進めればよいかを解説していきましょう。制度に対応してインボイスを発行するためには、以下の手順で準備を進めます。

①適格請求書発行事業者への登録
インボイスを発行するためには、適格請求書発行事業者になっていなければなりません。まずは国税庁のサイトなどから「適格請求書発行事業者の登録申請書」を入手して必要事項を記入します。登録申請書の準備が完了したら所轄の税務署に書類を提出するのですが、郵送の場合は管轄地域のインボイス登録センターに送付します。またフリーランスや個人事業主の場合は、e-Taxを利用するのも便利でしょう。e-Taxで登録申請データを作成し、送信することで簡単に登録は完了します。

ただしこの場合は、e-Taxの利用者識別番号の取得・登録とマイナンバーカードのような電子証明書が必要になります。
インボイス制度が開始される2023年10月1日に適格請求書発行事業者となっているためには、2023年9月30日までに申請を完了させておく必要があります。制度開始と同時にインボイスを発行しなければならない事情があるならば、遅れないように申請を行いましょう。

②継続的な取引先への確認
自社と継続的に取引を行っている企業に対し、インボイス制度に対応するか否か(制度開始後インボイスを発行できるかどうか)を確認しておきます。例えば自社に対して物やサービスを提供している協力企業があるならば、現在は課税事業者か免税事業者か? 免税事業者ならば課税事業者になって、かつ適格請求書発行事業者となる予定があるのかどうかを確認します。ここまで説明してきたとおり、協力企業からインボイスを発行してもらわなければ自社は仕入税額控除ができず、消費税を二重に負担することになってしまいます。

継続的な取引先には速やかに制度に対応できるか否かを確認し、必要に応じて適格請求書発行事業者への登録をお願いしておきましょう。

③請求書書式の変更検討、もしくは請求書システムの変更
協力企業へのお願いだけでなく、自社もインボイス制度に対応できるように準備を進めておきましょう。適格請求書発行事業者への登録はもちろんですが、自社が発行する請求書(区分記載請求書)をインボイスに変更する準備も必要です。現在は手書きで請求書を発行することは少ないと思われますが、もし緊急対応として手書きが残っている場合は、インボイス対応の書式をあらかじめ購入しておきましょう。

コンピューターシステム上で請求書の発行が行われているのであれば、書式の変更とインボイス対応をシステム開発会社に依頼しましょう。クラウドのシステムを使っているようであれば、既にほとんどのシステム開発会社はインボイス制度対応の準備を進めているはずです。

④インボイス制度によって影響を受ける社内業務担当への教育研修
経理部門はもちろん、請求書発行システムを使う人たちや経理以外のバックオフィス部門、営業部門などもインボイス制度の影響を受けることになります。制度の開始は2023年の10月ですが、早めに社内に対してインボイス制度の教育研修を行っておきましょう。仕入税額控除をしっかり行わなければ自社の利益に大きな影響が出ること、取引先にも迷惑がかかることを関係者に伝え、制度対応への協力を依頼するのです。

⑤契約している会計事務所などとの最終確認
インボイス制度に対する社内対応や取引先への対応に問題がないか、あるいは抜けがないかを、契約している会計事務所と確認します。早めに対応を進めて確認を行っておけば、不備があったとしても改善する期間を十分に取ることができます。少なくとも制度開始の数カ月前には、すべての準備を完了しておきたいものです。

経理業務にはどのような影響が出る?

社内全体としては上記のような手順でインボイス制度への対応を進めますが、経理業務にはどのような影響が出るのでしょうか?

請求書の書式変更が必要:
上記でも書いた、請求書書式の変更です。先述のとおり、インボイスには新たに「課税事業者の登録番号」「適用税率」、「税率ごとに区分した消費税額」を記載する必要があります。請求書発行システムを使っているのであれば、制度開始までに書式の変更を行わなければなりません。

消費税の計算方式の変更:
インボイス制度の目的のひとつは、消費税率を明確にし、取引の透明性を高めることです。先述のとおり軽減税率の導入で現在は2種類(8%、10%)の消費税率が運用されていますが、これが経理処理を複雑化する原因ともなっています。インボイス制度で要求される「税率ごとに区分した消費税額」を明確にするためにも、消費税の計算方式を変更しなければなりません。

具体的には、今回の制度導入では消費税額の端数処理が大きく変更されています。制度の導入前は消費税の端数計算(端数は四捨五入)は購入した商品ごとに行っていましたが、導入後は「1つの適格請求書につき、税率ごとに1回」という方式に変更されました。これにより、消費税額の合計が変わってしまう場合があるのです。

取引先を課税事業者と免税事業者に区分する必要性:
インボイス制度では、課税事業者(適格請求書発行事業者)と免税事業者を区分しなければなりません。買い手側(自社)は売り手側からインボイスを受け取れないと、仕入税額控除が受けられないからです。この手続きには売り手側の登録番号と社名(もしくは取引先コード)が必要になりますが、仕入先(売り手側)が多い企業は、事前に売り手側のインボイスの登録番号を収集しておくことで、作業を効率化できます。

弊社では、売り手側の登録番号を収集し、取引先コードとのひもづけが可能なシステム「FastEntry(ファストエントリー)」を提供しています。

消費税申告の複雑化対応:
インボイス制度導入前の消費税額の計算方法は、年間の総売り上げに対して消費税額を算出する「割り戻し計算」のみが認められていましたが、今回の制度導入後は売り上げのたびに消費税額を計算して積み上げていく「積み上げ計算」も採用できるようになります。どちらの計算方式を選ぶかで利益に差が出てしまうこともあるので、消費税の申告が以前より複雑になったともいえるでしょう。



インボイス制度対応への課題

インボイス制度が導入されることによる企業側の一番の課題は、複雑化する経理業務や会計業務への対応だといえます。ここまで繰り返し書いてきたように、インボイス制度で定められた要件を満たさない請求書は仕入税額控除の対象とならないため、インボイスを受け取った買い手側にはインボイスとそれ以外の請求書を分けて処理するなどの業務負担が発生します。また、適格請求書発行事業者(売り手側)にとっても、登録番号や税率ごとの消費税額といった必要事項の表示が求められるため、従来の請求書に比べて業務負担が増加することは否めません。

このような業務処理を人の手でミスなく、効率的に、そして迅速に行うことはとても困難だと思われます。ミスに起因する手戻りや余計に発生する経費、取引先への迷惑などを考慮すると、今回の制度導入に対応するにはインボイス制度に準拠したシステムの導入が一番の解決法だといえます。経理を含むバックオフィス部門の負担を最小限にとどめ、業務を効率化するためにも、請求書発行システムなどの導入について実績と経験豊富なシステム開発会社にご相談ください。

データ・プリント・サービス(DPS)では帳票レイアウトを自由に設計することができますので、インボイス制度に対応した帳票発行が可能です。また帳票を一元管理しており、同じ帳票イメージでの電子配信「WebBureau(ウェブビューロー)」も行うことができます。

2024年1月には改正電子帳簿保存法の猶予期間が終了

インボイス制度とは別の話になりますが、2024年1月には改正電子帳簿保存法の猶予期間が終了します。2022年1月1日に施行された改正電子帳簿保存法では、電子データで受け取った国税関係帳簿書類は電子データのまま保存しなければならないと定められていますが、2022年1月1日から2023年12月31日までの2年間は猶予期間となっており、条件付きで紙での保存も認められているのです。
2024年1月1日以降は電子データでのみ保存が認められるため、経理業務や会計業務の電子化は必須といえるでしょう。まだ電子データで受領した書類を印刷して紙で保存しているのであれば、インボイス制度も含め、早急に対応が必要になります。
※ただし、まだ正式決定ではないものの、令和5年度税制改正の大綱によると、条件によっては紙の保存と電子データでの保存が認められる可能性もあります。国税関係帳簿書類の保存方法については、今後の動向にご注意ください。



まとめ:インボイス制度への対応はシステム化が必須

2019年10月の消費税増税に伴う軽減税率の導入によって、従来に比べて経理業務はとても複雑になりました。そのうえ今回新たに導入されるインボイス制度により、経理業務のさらなる複雑化は避けられない状況です。今後も複雑化した経理業務をすべて人の手でカバーし続けると、ミスによる手戻りや工数の増加、インボイスの再発行などで顧客に迷惑をかけてしまうことにもなりかねません。現在の請求書発行業務にアナログな部分が残っているのであれば、請求書発行システムを導入するのが効率化と危険回避への早道です。請求書の電子化などでお悩みであれば、豊富な経験と実績を持つ企業に相談することをお勧めします。

請求書・各種帳票の電子閲覧サービス「WebBureau(ウェブビューロー)」は、帳票発行業務を一括アウトソーシングできるクラウドサービスです。インボイス制度においても請求書等の業務処理を、強力にサポートします。

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お客さまインタビュー

2023.03.17

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