コラム

マニュアル管理は効率化の要!管理や運用のポイントとは?

業務システムが複雑化し、業務の内容も多岐にわたる現在では、それらの運用マニュアルがとても重要になっています。例えば業務手順ひとつにしても、関連法令や社内規程の変更によって逐次変わることが考えられるので、マニュアルは業務の効率と正確さを左右する重要なアイテムとなっているのです。企業内に存在するあらゆるマニュアルは適切に管理され、また迅速に更新されてはじめて効果を発揮します。

今回はマニュアルの適切な管理と運用の重要性、100%活用できる管理・運用のポイントまで解説します。


マニュアルの適切な管理と運用の重要性

冒頭でも書きましたが、業務の手順やルール、禁止事項を記載したマニュアルは適切に管理・運用されてはじめて効果を発揮します。マニュアルは作成したら終わりではなく、必要とする人が活用できなくては意味がないものなのです。業務でマニュアルを適切に運用すると、どのような効果を発揮するのでしょうか? ここで確認しておきましょう。

業務効率・生産性向上:
業務の進め方や関連法規などを調べる際、対象となる文書が適切に管理されていれば誰もが必要とするときに閲覧でき、資料を探す手間を省くことができます。マニュアルを含む必要な文書が見つからない、または散逸して所在が分からなくなっているといったことがあると、業務効率の低下はもちろん、禁止事項を理解していないことで、図らずも不正行為が起きてしまうことも考えられます。
業務が複雑化している現在では、手順や法規の確認ミスが、大きな問題に発展してしまう可能性があるのです。

業務の標準化・品質の安定:
マニュアルを作成すれば効率的な業務フローや作業手順が明確になり、業務の標準化につながります。また業務手順の標準化によって、誰が作業を行っても一定の品質を保てるようになり、品質の安定にも効果があります。

不正防止:
マニュアルをはじめとする社内規程やISO文書などを、従業員がいつでも閲覧できる状態に整備しておくことは内部統制の徹底につながります。このような管理のことを文書管理といいますが、この文書管理を適切に行うことで禁止事項や罰則が全員に周知され、不正防止の効果を発揮するのです。

業務の属人化防止:
マニュアルの整備は業務を標準化し、誰でも作業できるように内容を明らかにするので、属人化が発生しにくくなります。属人化の防止は人材流動性の確保になると同時に、不正防止とコスト削減の効果もあります。比較的単純な作業が標準化されていれば、コストの高いメンバーではなく安いメンバーに割り当て、人的リソースを効率的に活用することができるのです。

教育工数削減:
新しく異動してきた社員や新人スタッフ配属の際には、マニュアルを参照してもらうことにより教育工数を減らすことができます。また、指導するベテランメンバーの工数も削減可能です。

ISOの取得・維持にも文書管理が必要

ISO認証を取得する場合には、マニュアルや社内規程、品質に関わる文書などを規程に従って管理しなければなりません。このため社内で運用する文書には、文書管理規程に基づいた文書管理が必要となります。

ISOとは、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関 International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称です。ISOシリーズには、品質マネジメントシステム(ISO 9001)や環境マネジメントシステム(ISO 14001)などがあるので、一度はその名前を聞いたことがあることでしょう。ISOは世界的な標準化の規格ですが、日本国内でも取引先企業の選択条件にISOの認証取得を挙げる企業が多くなっています。そのため今やISOの認証取得は、自社や製品の価値を保証するための必須事項ともいえるのです。
ISO規格では、認証の条件に次のような文書管理が実施されていることを求めています。

・適切な識別と記述
検索が容易なように、タイトルや日付、参照番号などを付記すること
・適切な形式
閲覧者が使いやすい形式と媒体(紙もしくは電子媒体など)を選ぶこと
・適切なレビューと承認
文書の内容や保管方法が適切であるかをレビューし、責任者に承認を受けること
・文書の利用
文書は利用に適した状態で保管されていること
・文書化した情報の保護
文書の滅失、改ざん、漏えいを防止する対策が施されていること
・文書の管理
文書を誰が利用できるか、権限が設定されていること
・変更の管理
文書を誰が、いつ変更したか管理されていること
・文書の保管と廃棄
文書の保持方法と保持期間、廃棄方法が明確になっていること

上記のようにISO認証取得の際にも、マニュアルを含む文書は適切に管理することが必要になるのです。


マニュアルを適切に管理している企業の特長

既に文書管理規程を作成し、マニュアルや重要文書を管理している企業には以下のような特長があります。
このような企業では、マニュアルの管理を単なる文書管理ととらえるのではなく、積極的な事業戦略と考えているのです。

マニュアルを効率化の武器として利用している:
業務手順を標準化し、マニュアルを運用することで効率化を積極的に進めています。経済の低成長が続き、売り上げを劇的に伸ばすことが困難な昨今の状況では、業務の効率化が利益率向上の武器となるのです。

マニュアルを品質の安定に活用している:
ファストフード店やファミリーレストランなどでは、調理のマニュアルを用意し従業員に厳守させることで品質を安定させています。品質の安定は顧客に安心を与え、自社ブランドへの信頼を得ることにつながります。

マニュアルを人材流動性のカギと考えている:
先述のように、人材のローテーションは属人化を防ぐだけでなく、不正の防止にも有効です。また、経験の浅い人員との人材ローテーションはコスト抑制にも効果があり、マニュアルを英語化すれば外国人を登用することもできます。


マニュアルを100%活用できる管理・運用のポイントは?

上記のように多くのメリットを持つマニュアルの活用ですが、100%活用していくためには二つの条件があります。
それはペーパーレス化(電子化)とシステム化です。

マニュアル100%活用のカギはペーパーレス化とシステム化

マニュアルを紙で作成して運用するのでは、配布や更新、回収などが難しく一元管理できません。以前は紙で運用することがほとんどでしたが、新しいマニュアルと古いマニュアルが混在してしまうというような、業務上のリスクが発生する可能性もあります。マニュアルを100%活用するポイントの一つ目は、文書の電子化(ペーパーレス化)です。マニュアルを含むあらゆる文書は、電子化することによって、管理(作成、編集、登録、改訂、廃棄)が容易になり一元管理もしやすくなります。また、紙をなくすことで紙代、印刷代なども削減できるので、ペーパーレス化を積極的に進めましょう。

二つ目の活用ポイントは、マニュアルのシステム化です。具体的には、文書管理システムを導入して管理を実施します。

文書管理システムの導入

文書管理システムを導入してマニュアルを管理すると、以下のようなメリットがあります。
例えば弊社の提供する「DocLAN(ドックラン)」であれば、以下のような機能を標準で実装しています。

・検索機能(同義語・あいまい検索)が充実しているので、目的の文書を効率的に見つけられます。 文書を見つけるために無駄な時間を使うことがなく、使用者にとっても管理者にとっても効率化となります。
・改訂箇所(追加、削除)の場所を分かりやすく文書内に表示してくれます。文書の改訂は、改訂された事実だけでなくどこがどのように変わったのかが重要です。DocLANであれば、改訂箇所を色分けし、新旧の差分を表示することができます。
・Wordの文書を自動的にHTMLに変換してくれます。HTMLに変換された文書はWebブラウザーで閲覧することができ、テレワークの状態でもパソコンの機種に依存することなく閲覧可能です。またアプリケーションを立ち上げる必要もないので、素早い検索と表示ができます。
・DocLANにはオンプレミス版の他、クラウド版(DocLAN Cloud)も用意されているので、短期間、低コストで導入可能です。


まとめ:マニュアルは一元管理が必須

ペーパーレス化(電子化)とシステムの導入がマニュアル活用のカギと書きましたが、マニュアルの有効活用には一元管理が必須となります。マニュアルの運用で一番避けたいのは、複数のマニュアルが社内に存在し、古いルールやローカルルールが横行することです。文書管理システムを導入し、電子化したマニュアルで一元管理を実現すればこのようなことが避けられ、業務の効率化と品質の安定が可能になることでしょう。


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規程管理やマニュアル、ISO文書管理で下記に当てはまる方は、ぜひ資料をダウンロードください。

・目的の規程を探すのに時間がかかっている
・書変更箇所の差分記録(変更履歴)を残す作業が大変
・文書改訂時に社内周知を行っているが、社員全員に伝わりにくい
・コンプライアンス違反の防止、内部統制強化に取り組みたい


社内インタビュー

2022.09.27

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