コラム

マニュアル作成とは?作成の目的やポイントを分かりやすく解説

企業運営にはさまざまな規定書やマニュアルが存在しますが、これらは従業員全員が内容を正しく理解することで初めて効力を発揮します。
しかし、「必要な情報がそろっておらずマニュアルとして機能しない」、「度重なる改訂でどれが最新版なのか分からない」など、作成や管理が不十分なためにトラブルが起こるケースも少なくありません。

今回は、規定書とマニュアルの違いやマニュアル作成のポイントについて詳しく解説します。



規定書・マニュアルとは

多くの従業員が在籍する企業には、ISOをはじめとする「規定書」や業務手順をまとめた「マニュアル」が存在します。規定書は従業員全員が同じ内容を共有することを目的としているのに対し、マニュアルは各部署で内容が異なる場合が多いのが特徴です。
「規定書」とは、物事を一定の形に定める意味を持つ「規定」をひとまとめにしたものです。規定書の代表的なものに、「ISO文書」や「社内規程」などがあります。

「マニュアル」は経験の浅い従業員でも、それを参照することでひととおり業務を進められるように作られた文書のことを指します。マニュアルの中には、特定の業務に必要な作業手順をまとめた「手順書」、業務に必要なシステムの取り扱い方法や専門用語を解説した「ハンドブック」などがあります。



企業のマニュアルを作成する目的

企業のマニュアルには、業務を行うに当たっての基本的な業務知識をまとめたものや、部署ごとに業務手順やシステム操作の方法をまとめたものなど、さまざまな内容のものが存在します。これらのマニュアルを作成する目的には、業務の効率化や人事異動の際も新体制でスムーズに業務が遂行されることなどが挙げられます。以下の具体的な三つの目的について詳しく解説します。

業務ナレッジの共有:
マニュアルを作成する目的のひとつに業務ナレッジの共有があります。ナレッジとは、知識やノウハウなどのことで、業務に必要な知識や技術などがこれに当たります。企業全体で行われている業務を整理し、社員全体が把握しておくべき業務などを共有するためには、こうしたナレッジをまとめたマニュアルを作成する必要があります。

属人化の回避:
業務マニュアルを作成することで、従業員の経験やスキルによる業務品質の偏りをなくす、異動や新規採用で新たに業務に就く従業員でも、一定程度レベルの業務を行えるなどのメリットがあります。

仮にマニュアルを作成していない場合、その業務の知識や経験のある従業員に仕事が集中することになりかねません。その結果、社内にノウハウが蓄積されないばかりか、担当者の独断で行ったことが企業の不利益につながってしまったり、特定の従業員による不正行為が行われてしまい、企業の信頼を失ってしまったりするケースも見られます。こうした属人化によるトラブルを防ぐためにもマニュアルを作成し、従業員全体で情報を共有することが重要になります。

生産性の向上:
業務のルールや手順はもちろん、経営方針や理念などもマニュアルに盛り込む最大の目的は、企業自体の生産性を向上させることにあります。事業規模が大きくなれば、それだけ従業員数も増加します。マニュアルがなければ、それぞれの判断によって業務のルールや手順はバラバラになり、生産性は安定しません。また自社の経営方針や理念などの規定書は、従業員の意思統一や業務への意識向上に役立ちます。

全社が共通の目標を持ち、効率化された手順で業務を進めることは企業の生産性の向上につながるでしょう。



失敗しないマニュアル作成のポイント

マニュアルを作成しても、周知が行き届かず定着しなかったというケースは少なくありません。ここではマニュアル作成で失敗しがちな事例をご紹介します。また、管理・運用がしやすいマニュアル作成方法や作成形式についても詳しく解説します。

マニュアル作成に失敗する理由

マニュアル作成で失敗する大きな理由に、「マニュアルの内容が分かりにくい」「マニュアルの情報が古く活用できない」などがあります。以下のようなマニュアルを運用している場合は見直しが必要です。

①「誰が読んでも理解できる」内容になっていない:
マニュアルは、あらゆる社員が閲覧することを前提に作成する必要があります。業務に不慣れな社員や新入社員でも理解ができるように専門用語の使用は極力避けるか、用語自体の説明を伴うようにしましょう。また、文章自体も平易で分かりやすい言葉を使い、状況に応じて図解を用いるなど誰が見ても理解できるものを心がけるとよいでしょう。

②マニュアルの作成・改訂の担当者を置いていない:
マニュアルの改訂は頻繁に行うものではありません。そのため、マニュアル作成や改訂作業をさまざまな従業員が単発で担当し、その結果、現状の内容に至った経緯や修正履歴などが分からなくなるケースも多いのではないでしょうか。マニュアルは業務の効率化や円滑な企業運営に欠かせない重要なツールです。作成・改訂などの更新作業を取りまとめる担当者を選出したり、チームを編成したりしておき、作成や改訂の際はもちろん、担当者交代の際の引き継ぎもしっかりと時間をかけて行うようにしましょう。

③マニュアルが必要な人員に適切に共有できていない:
マニュアル作成後は、従業員への周知を徹底するようにしましょう。マニュアルは必要な場で活用されることで、はじめて業務の効率化や生産性の向上につながります。そのためには、社内アナウンスで存在を知らしめ、必要な従業員全員がいつでも・どこでも閲覧が可能な体制を整備することも重要になります。

マニュアル作成のポイント

マニュアルが社内で正しく活用されるためには、どのように運用していくのかを見据えて作成していく必要があります。
ここでは、円滑な運用に欠かせないポイントについて解説します。

・マニュアル作成の目的を明確にする:
具体的な目的のないマニュアルは現場で活用しにくく、形骸化してしまいがちです。「どのような業務についてのマニュアルなのか」「誰のためのマニュアルなのか」など目的を明確にした上で、マニュアルを作成しましょう。

・マニュアル作成の専門チームを組織する:
マニュアル作成の際によくある失敗に、専門のチームを組織せず、その場の人員でとりあえず作成したため、完成後も適切に管理・運用されないまま放置されてしまうケースが挙げられます。運用が開始された後も定期的な見直しや更新まで一貫して行うチームを、あらかじめ編成しておくことが重要です。

・ペーパーレス化、クラウド化など必要な人員がアクセスしやすい形式を取り入れる:
マニュアルは多くの従業員が共有するため、必要なときに誰でも確認できる状態にしておく必要があります。テレワークを導入していたり、複数の拠点を持っていたりする企業の場合、マニュアルをデータ化し、どの環境においても閲覧が可能な環境を整えておくとスムーズに運用できるでしょう。


・定期的な見直しや必要に応じた改訂を行う:

マニュアル作成後も定期的な見直しや改訂を行うようにしましょう。作成時には効果のある内容でも業務内容の変更に伴い、改訂が必要になることもあります。常に状況に応じた内容に変更することで、スムーズな運用が可能になります。



まとめ:管理運用がしやすい専用ツールで生産性の高い マニュアル作成を

今回は企業運営に欠かせない規定書やマニュアル作成の目的やポイントについて解説しました。マニュアルは、業務ナレッジの共有や生産性の向上など円滑な組織運営に欠かせない重要なものといえるでしょう。そのため、作成の際は明確な作成目的と無理なくしっかり内容を吟味できるスケジューリングが必要です。
また、作成後も改訂や更新など状況に応じたブラッシュアップが重要になります。こうしたブラッシュアップには管理運用がしやすい専用ツールの導入が効果的です。

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社内インタビュー


2022.09.27

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