コラム

アンケート回収率の重要性とは?回収率向上のコツを紹介

企業活動においてアンケート調査は、商品やサービスの改善、顧客満足度の向上、市場動向の把握など、多岐にわたる役割を果たします。アンケート回収率は、アンケート調査の成果を測るうえで非常に重要な指標です。回収率が低いと、アンケート調査の有効性が損なわれかねません。

ここではアンケート回収率の重要性と回収率に関する考え方、さらに回収率を上げるための方法について解説します。


アンケートは回収率が重要

初めに、アンケート回収率の概要と重要性について解説します。

回収率とは:
アンケート回収率とは、アンケート調査を行った際に、回答者から回答を得ることができた割合を示す指標です。
アンケート回収率は、アンケートを配布した数に対して回収できた数の割合を計算することで測定できます。
例えばアンケートを100人に送付した場合で、50人から回収できたときの回収率は50%となります。
一般的には、回収率が高いほどデータの信頼度が高まるとされます。アンケートの効果を知ろうとするとき、つい回答数に目が向きがちですが、正しく測ろうと考えるならば、回収した数だけでなく回収率にも注目する必要があるといえるでしょう。

回収率が持つ重要性は、以下の例で考えると分かりやすくなります。

①配布数1万に対して回収数1,000の場合、回収率は10%
②配布数1,000に対して回収数800の場合、回収率は80%

単純に回収できた数だけ見れば1の方が多いのですが、全体の9割の部分からは回答を引き出せていません。2の例では8割の回答を集められたことになるため、おおよその傾向を把握できます。アンケートでは、未回収分に有意な傾向や、重要な意見が埋もれている可能性があるため、回収された数だけではなく回収率を見ることも大切です。

回収率の重要性:
アンケート調査において回収率が重要な理由は、回答者からのデータを集めることが調査の目的を達成するうえで不可欠な条件であるからです。
そのため、アンケート回収率を上げることは調査結果の信頼性を高め、最終的に調査目的を達成するための非常に重要な要素となります。
回収率が低い場合の影響としては、調査結果が偏りやすくなり、正確さに欠けてしまう可能性が考えられます。

また、調査の目的を達成するために必要と思われる有効回答率に満たない場合、調査結果の信頼性も十分とは言い切れません。

回収率が低いということは、表面化していない意見が多数残されているということです。回答すること自体に熱心な層や、たまたま回答しやすかった層など、そもそも回答者の属性に偏りが生じているおそれもあり、全体像を正確に捉えられない可能性が出てきます。


回収率と有効回答率の関係

アンケートに関連する用語としてよく知られたものでは、有効回答率があります。
アンケート回収率と有効回答率は、両方ともアンケートの効果を測る指標ですが、異なる意味があります。

・アンケート回収率:回答者から回答を回収することができた割合
・有効回答率:回収した回答のなかで、分析に利用できるものの割合。不適切な回答だった場合、有効回答数にはカウントされない

上記から分かるように、アンケート回収率が高い場合でも、有効回答率にそのまま反映されない場合もあります。ただ一般的には、回収率が高いと有効回答率も上がる傾向が見られます。

いずれの指標も高いに越したことはありませんが、回収率と有効回答率のどちらが重要かは、調査の目的によって異なるため、目的や情報の必要性に応じて優先する指標を選択する必要があります。
例えば、アンケートを製品やサービスの改善に役立てたい場合では、有効回答率が優先されます。
一方、世論調査など全体像を把握したい場合や、広告調査などターゲット層が広く、より多くの回答を得たい場合では、回収率が優先されます。

基本的には回収率が高いほど信頼性が増すため、いずれの場合でも回収数を増やすよう努める必要があります。


アンケートの回収率が上がるコツ

アンケート回収率を上げるためには、低くなる原因を突き止め、排除していくことが大切です。アンケートの回収率を向上させるコツを解説します。

アンケート回収率が低い理由

アンケート回収率が低い理由はさまざまですが、一般的には以下のような要因が考えられます。

アンケートの配布先に問題がある:
アンケートの配布先がターゲット層と合っていない、また情報が伝わっていないことでアンケート自体に気付かなかったり、「自分には関係ない」と思われたりしている可能性があります。ターゲットとする層にアプローチしやすい媒体や手法を検討し、関心を引けるように工夫します。

アンケートの設計に問題がある:
質問内容が不適切、分かりにくい、答えにくい内容である、回答方法が複雑である、などの場合、回答者がアンケートに回答することを難しく感じ、敬遠するおそれがあります。
回答方法を簡単にし、分かりやすく説明することで、回収率を上げることができるでしょう。

手間や負担がかかる:
簡単で分かりやすい内容であっても、アンケートが長すぎると回答することを面倒に感じられかねません。設問が多すぎ、時間や手間がかかる場合や、終わりが見えない場合も、手を付けてもらえない、途中離脱が発生するといった問題が生じやすくなります。

回答時間が短くなるよう、質問の数を減らすことで、回収率を上げることができるでしょう。

アンケートの内容に興味が持てない:
アンケートに回答してもらうためには、参加者の興味をそそる必要があります。アンケートの主題が参加者にとって関心のあるものでなければ、当然回収率が低くなるでしょう。

参加者の関心を引くためには、オファーに対する報酬を用意するといった施策も有効手段です。

アンケートの目的や利益が明確でない:
アンケートの目的や利益が明確でない場合、参加者は回答する意義を見いだせず、または不信感を覚え、あえて回答しない可能性があります。アンケートの目的や利益を明確にする、不正利用がないことを確約するなどの対応で回収率向上につなげられます。

アンケートの回答期限が短い:
興味や関心を引き出せても、タイミングが悪いと回収率が低くなります。例えば回答期限が短すぎる場合、「近日中に回答しようと考えている間に終わっていた」といった機会損失の可能性がありますし、逆に長すぎる場合も回答の意欲が薄れてしまう可能性があります。

アンケートの回収率を上げるために

上記の課題を踏まえ、回収率を上げるためのコツとしては、以下のようなものが挙げられます。

「信頼できるアンケート」を意識する:
アンケート配信元を明確にし、配布先にアンケートの目的や意義を十分に伝えることでアンケートの信頼性を高めます。アンケートに参加することへの意義を見いだしやすくし、不正利用の懸念を払拭します。

アンケートの設計に工夫をする:
アンケートの質問項目を簡潔で分かりやすく、回答者にとって興味深いものにすることが大切です。回答にかかる時間を短くするために、フリーアンサーを少なくするなど、なるべく答えやすい形にする必要があります。

回答者にインセンティブを与える:
回答者に対して、アンケートへの回答に対する報酬や魅力的なプレゼントを用意することで、興味や関心を引き寄せ、回答への意欲を高められます。

回答の手間を軽減する:
オンラインでの回答、選択的な回答、イベントやセミナーの途中やあとでの回答など、回答の手間を感じさせない工夫が求められます。設問数と回答にかかる目安時間を記載し、あとどのくらいで終わるのかを示すのも有効策です。
特に、設問が多いアンケートの場合には、紙のアンケートよりもWebでのアンケートの方が、入力での回答やボタンの選択などによって答えやすさを提供できます。

以下のサイトではアンケートの回収率向上に役立つサービスをご紹介しています。ぜひご活用ください。


有益な情報収集のためにはアンケート回収率に注目する

アンケート調査では、回答数や有効回答率といった指標も大切ですが、回収率の重要性にも目を向ける必要があります。回収率が低い場合、信頼性の低いデータとなり、事業への有効性が薄れることも考えられます。回収率が低い場合には、その原因を把握し、回答者側の視点を持ったアンケート実施を図っていく必要があります。

なお、アンケートの作り方については「アンケートの作り方のポイント~手順や回答率を上げるコツを紹介」で、回収後の分析、集計については「アンケート集計後の効果的な分析方法を紹介」で詳しく解説しています。


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2023.06.06

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